🌳『レインツリーの国』
著者: 有川浩
出版社・刊行年: 角川文庫・平成27年

📖あらすじ
忘れられなかった一冊の感想をネットで探していた伸行は、
「レインツリーの国」というブログにたどり着く。
そこに綴られていたのは、距離を感じる文体ながらも、深い理解に満ちた感想だった。
その文章に惹かれた伸行は、ブログの書き手・ひとみに思い切ってメールを送る。
返事など来るはずがないと思っていたが、届いたのは丁寧な返信。
こうして、言葉だけのやりとりが始まる。
何度もメールを重ねるうち、伸行は「会いたい」「声を聞きたい」と思うようになる。
しかし、ひとみには会えない理由があった——。
素直で不器用な二人が、少しずつ心を通わせていく恋愛小説。
🫶こんな人におすすめ
- 心がじんわり温かくなる物語が好きな人
- 読後に、自分の価値観を考えたくなる人
- 偏見を持つことの怖さに気づいたことのある人
📚この本が好きならこちらもおすすめ
『世界から猫が消えたなら』川村元気

【大切なものをひとつ差し出せば、明日を生きられる——そう言われたら、あなたは何を選びますか?】
余命わずかを告げられた「僕」の前に現れたのは、自分にそっくりな“悪魔”。
世界から何かを消すことで、一日だけ寿命を延ばせるという。
電話、映画、時計、そして、飼い猫のキャベツ。
失ってから気づく、愛と記憶のぬくもり。
世界から、あなたの“大切なもの”が消えたなら——
あなたは、何に思いを馳せますか?
『明日、世界がこのままだったら』行成薫

【もし、明日も世界が何も変わらなかったら——あなたは、それでも今日を選びますか?】
気づけば、世界には誰もいない。
サチとワタルの前に現れたのは、「ここは生と死の狭間」と語る女性。
現実に戻れる命は、ふたりのうち一人だけ——。
穏やかな時間の中で交わされる会話、よみがえる記憶、明かされる本音。
今をどう生きるか、誰と生きるか。
静かな世界で、彼らは自分の“選択”と向き合う。
優しく、でも確かに心を揺さぶる、命の物語。
『レインツリーの国』を読んで ──はるのぽつり。
うまく言葉にできなくて、すれ違って、でも伝えたくて。
『レインツリーの国』は、そんなもどかしい気持ちを、そっとすくい上げてくれた物語でした。
私にとっては、「伝えるって怖い。でも、大切だよね。」って気づかせてくれる一冊。
静かに、じんわりと、心の深いところに届く本です。